ロートレックは、料理も芸術と考えていた。自身のオリジナルレシピ190点を収めた本書は、親友モーリス・ジョアイヤンとの共著『L’ Art de la Cuisine』(1966)の日本語訳であり、随所に配されたロートレックの挿絵とともに芸術書として堪能できる他に類のない希少な一冊である。
料理書の記述としてはいささか風変わりで正確さに欠ける点も多いが、ここにこそ読者のイマジネーションに委ね、作る人の繊細な味見の効果に期待する本書の特色があり、原稿が書かれた時代すなわちフランスのベル・エポック(良き時代)の雰囲気をうかがわせる。
◆『美食三昧 ロートレックの料理書』
トゥールーズ=ロートレック、モーリス・ジョアイヤン 共著
座右宝刊行会編集部 訳
◆状態
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